「あの・・・どうぞ。」


椿は、冷たい緑茶をそれぞれの前においていく。そして、キッチンまで戻ると、大きな皿に何かを乗せて戻ってきた。

「よかったらこれもどうぞ。」

それは、お皿いっぱいに乗せられたおにぎりだった。
きれいな三角形に握られたそれが、ひとつずつ、それぞれの口に収まっていくのだが・・・

「くそ不味そうだな・・・」

隼丸はそう言葉を投げつけながらおにぎりを口に運ぶ。ムカッとしながらも、椿はその様子を見つめていた。

「人間が作った飯にしてはまあまあだな。まぁ、褒めてやってやらないこともないがな。」

「ありがとうございます(怒)」

必死で感情を表情に出さないように笑っていたが、声に出てしまっているのを、その場にいた誰もが気づいていた・・・。


「で、もうひとつ頼みがあってここに来た。」


隼丸の深刻そうな顔に驚きながらも、緑涼は「何ですか?」と諦め気味に聞いてみると・・・