__現在
花side
「一本!勝者、楠 花!」
「「ありがとうございました。」」
やった!!
勝ったっていうことは……
あたし、個人の部で全国一位ってこと!?
紹介が遅れました、あたしは楠 花。
高校二年生、剣道部主将をしています。
今は全国大会の個人の部の決勝をして勝ったところ。
つまり、あたしは全国一位になったというわけだ。
__大会後
「花おめでとう!!」
「利子!ありがとう。」
あたしの親友の品川 利子は個人の部全国三位。
背が高くて、優しくて頭も良いからかなり女子からモテる
……利子も女子なんだけどね(苦笑)。
「全国一位なんて凄いね。」
「そんなことないよ…だってあたしより強い人いるから。」
「……もしかして宗次郎くんのこと?」
「うん、宗次郎には一回も勝てた試しがないからね。」
宗次郎はあたしの幼馴染みで同じ道場に入っていた道場仲間。
でも…宗次郎は10年前行方不明になった。
そして今も見つかっていない。
「花はさ、まだ宗次郎くんのこと好きなの?」
「うん。」
あたしは小さい頃から宗次郎のことが好き、10年たってもやっぱり宗次郎のことは忘れられなかった。