__10年前
「ねぇねぇ!宗次郎!」
「なーに?花ちゃん。」
「大きくなったら結婚しよーね!」
「うん!」
「絶対の絶対にだよ?」
「うん!指切りしよう!」
あたしは幼馴染みであり、同じ道場で剣道をならっている宗次郎と結婚の約束をした。
あたしはその当時、宗次郎のことが好きだった。
あたしはただただひたすら宗次郎のことが好きだったので結婚したいと思った。
初めての告白だったけどあまり緊張はしなかった、でもYESの答えが返ってきたことには今までにないくらい驚き、嬉しかった。
その日は家に帰って寝ようとベッド入ってもソワソワして中々眠れなかった。
例えるなら…そう、遠足や修学旅行の前日みたいな感じだ。
………でも
次の日、宗次郎の母親から電話が来た。
「宗次郎が…何処にもいないの!」
最初は冗談だろうと思っていたが、おばさんの声は焦りと、涙が混じっていて冗談なんかじゃない、本当なんだとすぐにわかった。
一週間たっても宗次郎は見つからず、警察に捜索願いを出したがそれでも見つからなかった。
…そして
10年たった今も宗次郎は見つかっていない。