「千夏はこの色が似合うよ」
真尋くんが私に渡してくれたのは薄ピンクのワンピース。

「試着させてもらって来い」
この言葉に甘えて、店員さんに試着室に案内してもらった。

着替えて、全身を見てみる。
丈もちょうどいいし、色も派手でない私好みの色。

「お客様、いかがでしょうか?」
店員さんに聞かれ、試着室のカーテンを開ける。
ちょっと照れながら、真尋くんと店員さんの前に立った。

「どうかな?」
と尋ねると、
「うん、かわいい。
いいんじゃない?」
と答える真尋くん。

「お客様、とてもお似合いですよ。
でもお客様なら、こちらの色もお似合いになるかと思うのですが…。
良かったら、こちらもご試着してみませんか?」
店員さんが勧めてくれるのは、クリーム色のワンピース。