「笑美ぃ、今日撮影来るやろ?」
春君が私に抱き着いて、聞いてくる。
「うー・・・ん。行こうか・・・な。」
「そっか、一緒に行く?」
「うん♪」
ファンの人にばれるから、一緒に行く事は滅多にない。
だから誘ってくれるのは嬉しいんだ。
左手には、しっかりと付けられた指輪。
「・・・ねぇ?何でサイズ分かったの?」
「んー・・・?」
指のサイズ何か、言った事も、聞かれた事もないのに。
「やって、笑美の事見てるもん」
・・・春君って、何でこんなに恥ずかしい事サラっと言えるのかな?
「笑ー美ー?」
肩に乗っかってた顔を、前に持ってきた。
「何でもないっ!」
「意地っ張り〜♪」
「うるさいっ!!!」
・・・こんな風に、何気ない日々が、いつまでも続くと・・・、
そう、思っていた。