机に俯せた時、遠くの方で足音が聞こえた。


ーガチャッッ。


「はぁ・・・ただいま。」


私の前に現れたのは春君。


「お帰り・・・。」


状況が飲み込めない・・・、


「間に合った?」


時計を見ると、あと3分で12時・・・。


「な・・・んで?」


「ん?仕事終わってん。」


すごい笑顔で返してくる春君。


「あー!時間がっ!!!」


いきなり慌てる春君。あと・・・1分。


「笑美?目ぇつぶって?」


言われた通りに目をつぶると、
左手に違和感・・・・。


・・・・?


「開けてえーよ。」


目を開けると、薬指に・・・指輪。


「ぇ・・・春く・・・?」


春君を見上げると、優しい笑顔で、


「有りがちやけど、お揃い♪」


と自分の手を見せてくれた。


「よかったぁ・・・今日のうちに渡せたぁ・・・、」


時計を見ると、12時02分・・・・。


「ごめんな・・・?我慢ばっかさせて。」


何で春君は、私の不安を分かってくれるんだろ。


「・・・っ」


涙が溢れて、ただただ首を振った。


「うぁ!泣き止んでぇ〜」


・・・デジャヴュ(笑)


・・・私の彼は・・・春君は、王子様みたい。