『もう終わってん。』
『・・・・何が?』
『何もかも、ええで、もう。何してくれても。ヨリやって戻したらええやん。』
『売ったり・・・なんかせぇへんよ』
『・・・・・!!!』
ボロボロと溢れる涙。
ぐしゃぐしゃになる顔。
『とことん、とことんうちの事嫌いになってよ!せやないと・・・せやないとうち・・・あんたの事忘れられへんやんか・・・・』
『・・・・』
俺、最低やから。
格好よくもないから。
こんな時、何も言えへん。
『別れてくれて心底嬉しかったのになぁ?全部終わってしまったんやから、この仕事も辞めるわ。もぅ何もせぇへん。それだけは約束するわ。アイドルなんかに本気んなったうちが馬鹿やってんから。』
席を立とうとした水嶋さんに、
『俺・・・・・水嶋さんの演技好きやったけどな。』
水嶋さんの演技は好きやった。
許せへんと思ってた。
―・・・今も、許せた訳ちゃう。
けど。
全部やんか。
全部俺やんか。
笑美も、
水嶋さんも、
もっと居るかもしれへんな。
傷つけてしまっとる人。
これが・・・・・
この仕事やけど。
色んな人に夢を与える、って。
仕事やねんけど。