『うちの・・・・夢やったから。』


零れ落ちた涙を、俺はただ、見てるだけしかできなかった。


『せやのに、あんたの彼女は出会ったんがコンサートで、しかもうちと同い年やろ???それ知った時の気持ちなんてないわ。』


『・・・・・』


『壊したろう思った。』


目付きが、ぐっと恐ろしくなった。


『どんな事してでも、手に入れたる・・・・って』


『・・・・・』


『初めて、負けた気ぃした。あんたの彼女見た時、』


『・・・・・』


『名前も、顔も、立場も。全部。そんなん初めてやった。』


『・・・・・』


『あいつが幸せそうに笑うてる顔が、どうしようもなく憎かって。』


『・・・・・』


『あいつの事も壊さな、気ぃ済まんかった。』


『あの・・・事故、も水嶋さんやんな、』


『″春君なんて気持ち悪い呼び方したないよ。うちは、週刊誌に売ったんも。階段から落としたんも、全部うち。』


『もし・・・!!!もしあそこで死んでたらどうするつもりやってん!』


『それはそれでええんちゃう?』

恐ろしいぐらいの冷めた目が、自分に突き刺さって来た。


―・・・・この子を、ここまでにさせたんは俺やんな・・・