『やのに・・・・・・アイツは、アイツは・・・・』


水嶋さんが、笑美の事言ってんのが、すぐに分かった。


『簡単に春馬を奪ってった。うちが・・・・・頑張っても頑張っても手に入らんかったもんを、アイツは簡単にとってた。』


『・・・・・・』


『コンサートで、手ぇ振って貰った事もあんねん。「「ありがとう」」って。言ってくれた事も。』


正直・・・・・・覚えてへんかった。


最低やな、


俺。


『死にそうなぐらい嬉しいねんで?普段、手の届かない所に居る人が。自分の事、見てくれるって、ほんっっまに、嬉しいねんで?』

目に溜まっとる涙。


・・・・・・アイドルって仕事は。


夢を売る仕事であって。


夢しか見させない仕事であって。

夢を―・・・・・


壊してしまうものでもあるんやな。


『今まで、彼女が居るの分かってても、必死で耐えてきてん。あのキラッキラッしとった笑顔を絶対、隣りで見たる、って・・・・・・・』


『・・・・・』


『それが、』