春君に貰った合い鍵を握りしめて、一人でニヤニヤしてる。


「やっばいな私。」


さっきまで会ってたのに、


もう会いたくてたまらない。


聞きたい、事が、いっぱいあるんだ。


話したい、事が、


たくさん。


「行ってきまーす!!」


「あれ?今日は休みじゃないの?」


寝ぼけた声で聞いてくるお姉ちゃん。


「春君家!」


スニーカーを履きかけのまま、
家を出た。


会いたかった。


会いたくて、


会いたくて、


会いたくて。


その気持ちだけで。


上がった息ととのえる為に、
一度家の前に立ち止まった。


久し振りに、自分で鍵を開ける。

その感覚だけで、泣きそうになって。


「・・・・・・・ただい・・・ま。」


ドアを開けると、懐かしい部屋が見えた。


何も変わりなくて。


またそれに涙しそうになった。


春君の匂いがして。


本当に何一つ変わってないんだ。

リビングに向かうと、


机に俯せになって寝てる春君が見えた。


(こんなとこで寝なくても・・・・)

気持ちよさそうに寝てる春君。