「俺、明日退院すんねん。」
彼女にそう伝えると、
一瞬だけまた、影が見えた。
「そっか!よかったじゃん!!」
でもそれはまた、すぐに消えた。
(・・・)
少しだけ引っ掛かってはいたけど、そこまでに踏み込んではいけないと思った。
「ぁあーーー!!外や!外!」
約三週間。
やっと外に出れる!!!
でもえぇ休みになったわ。
「っっ・・・・ハァ春馬っっ・・・!!」
後ろから息の上がった声が聞こえて振り返る。
「待っ・・・・・て!」
「どうしたん・・・?」
涙を浮かべた彼女に、足を止める。
「私じゃ・・・・私じゃダメ?」
「・・・・ぇ?」
「私じゃダメなの?」
何で何も、言える事が・・・
出来なかったのだろう。
・・・寂しかったから?