「笑美ちゃん・・・」
「何で私の名前・・・?」
さっきの笑美ちゃん。
スラッとしてて、黒く長い髪。
美少女・・・一言で言えば、
そんな子。
「へぇ〜元カノですか」
「おん、」
・・・って、俺は初対面の子に何話してんねん。
「愛されてる彼女で羨ましい。」
「・・・そうなんかな、俺は・・・いっぱい傷つけてしまったかな。」
「多分・・・彼女は、傷ついたなんて、思ってないよ。」
何でか、その子は少しだけ影を背負ってるみたいやった。
「名前・・・名前何て言うの?」
この子は、俺がテレビに出とる事知らんのやろうな。
「春馬。」
「ふ〜ん。私は笑美、子!!」
「え?」
「笑美子、がっかりした?」
悪戯に笑いながら彼女が言う。
「や・・・びっくり?かな、」
「あっそ、つまんなっ!笑美の方が、可愛いよね。」
「俺が好きになった人の名前やからな、」
「うわ〜何それ!!!」
その子の笑い方は、印象的で。
好きとか、そんなんちゃうねんけど。
後ろに見えた気がした影だけが、
俺にはどうしても気になった。