「さぁ―!気合い入れてくよッッ」
お姉ちゃんの目、燃えてる・・・、
普段ではあんまり見ないようなその顔に、私は、ただならぬ殺気を感じていた。
ー15分。
ー10分。
ー5分・・・・。
時間が近づいていく度、会場の熱気は高まっていった。
2階席。
前から3番目、
私は、微妙だと思ったけど、
いい席なんだって。
ウワァーーーーーー!
いきなり会場のライトが消えて歓声が上がった。
・・・始まる。
私は、目を輝かせる姉の横で一人、有り得ない程きんちょうしてた。
「喉渇いてきた・・・。」
ツバを必死に飲み込んで、
緊張に耐える。
いい席の訳がやっと分かった。
・・・顔がはっきり見えるもん。
.