「じゃー捨てろや。捨てろや指輪もプリクラも、アドレスだって消せや。」
「・・・・・っ」
俺はまだ、
捨てられずに居た。
指輪も、
プリクラも、
アドレスも。
・・・全部。
・・・全部。
「そんな難しい事なんか?好きってゆーのんわ。」
「・・・・」
「せっかく心ん底から好きや思う人が居てるのに、何で自分から手放そうとするん?」
「・・・・」
「それとも、俺らに気ぃ使ったんか?」
(・・・・!)
「ちゃうよ。」
違う事なんかない。
少なくとも、その気持ちはあってん。
俺一人のせいで、皆に迷惑かけてしまう事になるんは。
絶対に嫌やってん。
嫌やいうか・・・・そんな事あったらあかん。
そう思ってん。
「そうやとしたら許されへんぞ」
「・・・ぇ?」
「今頃、気ぃ使っても遅いねん。今更っ・・・変なとこばっかり。気なんか使うな!そんなんちゃうやろ俺らは。お前だけに格好つけさせられるか!」
「・・・」