「ちょっ笑美!!あんたその怪我!!!どうしたのっ!?」


人間って不思議で、


どんなに悲しくても、


涙は止まるし。


お腹も減る。


春君への想いは、


自分でも気付かない内に、


どこかにしまってしまった。


開け方も、しまい方も分からないまま。


見ないようにしてた。




『もしもし笑美?明日どうするー?』


「え?」


『え?って、明日!コンサート!!でしょ?』


・・・コンサート・・・か。
行きたくない。


見たくない、春君を。


でも・・・梨衣子の・・・


梨衣子の誕生日だから。


「あー、うん。じゃぁさ・・・」

もう、好きなんかじゃない。


強がりなんかじゃない。


強がりなんかじゃ・・・ない。