「ごめんね〜わざわざこんなとこまで」


「本当だよ〜相っ変わらず急な階段だよね(笑)」


「そうなんだよね〜いつもこけそうになるもん。」


お姉ちゃんのバイトしてるここは、すっごいかわいい雑貨屋さんなんだけど。


二階にあって、それにその階段がものすご〜く狭い上に急なの。


だからいつもあんまり来たいと思わないんだけど。


「せっかくだから見てったら?」

「うーん、いいやお金ないし」


「そお?」


「うん、じゃあ頑張ってね」


「ありがとうね〜」


お店を出て、階段を降りようとした時。


電話が鳴った。


「え・・・っ薫?」



何が・・・何が起こったのか。


何が起こったのかわからなかった。


ただ、遠くに。


春君の声が聞こえた。


『キャーーーー!!!』


『誰か!誰か救急車!!!!』