呼び出し音が続いて、


『出ないで。』
なんて思っちゃってる私。


本当矛盾してる。


出てほしい。


そう思う私も居るから。


『もしもし?』


出・・・た・・・。


「春君・・・?」


『おん。そうやで?』


少し笑いが混じった声に、安心した。


「今・・・大丈夫?」


『おん、平気ー』


・・・謝らなくちゃ。
謝らなくちゃ。


そう思う程、言葉にできない。


『笑美こそ今学校ちゃうん?』


「え・・・っと今お昼だよ?」


『あ〜そっか・・・なぁ、』


「ん?」


『連絡・・・出来なくてごめんな?』


また・・・また言わせてしまった『ごめん。』


違うよ・・・


違うんだよ。


「違うよ・・・」


『え?』


「私が・・・私の方が、ごめんね・・・春君が謝る事じゃないもん、私が・・・ごめん」


『・・・ええんよ?、会いたいって言うてくれて嬉しかったで?』


え・・・?



『俺・・・こんな仕事やし笑美が会いたい時に会えへんし。堂々とデートとかあんま出来へんし。いつも側に居られへんし。笑美にはな、むっちゃ我慢させちゃてるし。本当は・・・違う奴の方がええんかな、とか。』


そんな事・・・思ってたの・・・?


『けどな、やっぱり俺。俺の勝手やけど・・・笑美と一緒に居りたいんよ。だから・・・これからもさ。迷惑かけてしまうと思うけど・・・、一緒に居ってくれへんかな?』


そんなの・・・


そんなの決まってるじゃん。