「はよ、帰りたい。」


ボソッと呟いてしまったのを、
運悪く、竜雨君に聞かれていた。

「笑美に会いたいんか?」


笑いながら、竜雨君が小さく言った。


「ん〜、今日は一緒に居ってあげたかった。」


あげたかった。
と。
ゆーよりは、居りたかった。
の方が正解やな。


「?」


はてなマークが似合う顔してる竜雨君。


「今日な、丁度付き合ってから2年なんねん。」


だから今日は、仕事もないはずで、俺ん家で過ごす予定やってん。

「!!!」


今度は、びっくりマークが似合う顔の竜雨君。


「ほんま?」


「ぉん。そーやねん」


「行ってあげなあかんやん。」


竜雨くん自体、彼女の事むっちゃ大切にする人やから、自然と出た言葉なんやと思う。


「仕事やんか。」


「・・・終わったら早よ行き。」