「頑張ってね。」
私は、それしか言えないけど。
部屋に少し後ろ髪惹かれながら、ドアを閉めた。
『春君へ。
お疲れ様。
ご飯用意しといたから、食べてね。あと、冷蔵庫にプリンが入ってるからそれもね。
じゃあまた来ます。』
「プリン・・・・?」
仕事から帰って、一番に目に入ったのは、しっかりと笑美の字で書かれた小さなメモだった。
少し小さめの字。
それさえももう、愛しくて。
冷蔵庫を開けると、サラダやら何やらが入ってる中に、プリンが混ざっていた。
「何でプリンなん・・・?」
何て疑問を持ちつつ、ご飯を温め直す。
しばらくすると、いつも笑美が作ってくれる、
暖かい匂いが鼻をかすめた。
「ん・・・上手い。」
一人で食べるご飯は、少し味気ないけど。
やっぱり笑美が作ったご飯には変わりなく。
めっちゃ上手い。
このご飯がかなり、俺には原動力になる。
笑美が作るご飯ほど、上手いものってないと思う。
「プリン・・・。」
きっとこれも。
もともと美味しいんかもしれないけど。
笑美が買ってきてくれたから、
余計に上手いんやと思う。
笑美の魔法やな。