「格好いい・・・?」
「うん!」
誇らしげにそう言う梨衣子を見て、ちょっとだけ泣きそうになった。
「薫は武君でしょ〜?」
「あ・・・ぁうん。」
そんな私に気付いてるのか、曖昧な返事をする薫。
「いいなぁ〜学校一のイケメンじゃん。」
「そんな事ないよ〜?」
薫の彼氏の武君は、うちの学校のアイドル的な存在。
それに薫も美少女だから、すごいカップルで有名。
「でーもさ!笑美なんかペアリングでしょっ」
「え?あー・・・」
いきなり振られると、心臓に悪いんだよね。
「何かさぁ、メッセージとか彫られてたりしないの〜?」
「メッセージ??」
薫に言われて初めて意識した。
「ほら。よくドラマとかで見るからさ〜」
いや・・・いくら何でもそこまでは・・・。
「見てみてよ〜!」
「え?あー・・・うん。」
つけてあった指輪を外して確かめてみる。
【emi×haru】
裏側にはしっかりと
そんな言葉が並んでいた。
何で・・・・春君はこんなにも。
こんなにも・・・
本当に涙出そうだよ。
言葉にして、軽くなったら嫌だけど。