「おー終わったか。」


暖房の効いた職員室。
これだけは本当ずるい・・・。


「お疲れさん、遅いから早く帰れ!」


遅くさせたのは誰だよ・・・。
何て思いつつも軽く会釈して職員室を出た。


「送ってくよ。」


職員室の前で待ってた優。


「いいよ。」


「暗いんだから黙って送られろ。」


「いいって・・・!」


私の声も虚しく、ズルズルと引っ張られた。


「ねー!本当いいってば!!」


「・・・」


会話がないまま送られるなら、一人で帰るのと一緒だよ。


そんな事より、何て言うか二人っきりは・・・。


「あ。」


「は?」


校門の少し前辺りに止められた、見慣れた車。


「春・・・君?」


「何?彼氏?」


そういった優の顔が曇った気がして。


「優・・・?」


「行けば?彼氏が来てんだから行けよ」


「う・・・うん。」


暗闇に、優の事を置き去りにして春君の元へ向かった。