「ねー?」


「うぅん?」


ソファーに寝そべって、上目使いで笑美を見る。


「竜雨君てさぁ・・・、本当に北村さんの事嫌いだったのかな?」

「ぇ?」


いきなり竜雨君の話しをしだす笑美に少しびっくりした。


「だって・・・」


「・・・竜雨君はさぁ、今ちゃんと彼女が居るやん。やから彼女の事を一番に考えてそうなったんちゃう・・・?」


「・・・うぅん・・・。」


まだあまり納得してない様子。


「嫌いじゃぁないと思うねん、ましてや昔は好きやってんか。けどな・・・?んーと、彼女を不安にさせたなかったんやと思うで?竜雨君はめっちゃ彼女の事大切にしとるしな、」


あれから志乃は、全然日もたたずに引っ越した。


『作ちゃんの近くに居ると、竜雨君の事思い出しちゃうから。』


何て・・・、悲しい言葉を残して。


「上手く・・・いかないね。」


笑美はそう言って、苦笑いを浮かべた。


「・・・そやな。」


俺の言葉を聞いてんのか、聞いてへんのか、笑美は洗い物を始めた。


「なぁー笑美ー!」


「何?」


冷たい目で俺を見てきた笑美。


「笑美ってたまにSやんな?」