初めて、笑美が居らん恐さが分かった。


どうしようもなく不安で。


恐くて・・・・。


「出て・・・・。」


小さく呟きながら、繋がるのを待つ。


『もしもし・・・?』


繋がった声。
なのに・・・・不安に溺れた声。

「笑美?」


『今・・・、行く。』


何があってん・・・。
なぁ、笑美。


笑美が不安にならへん為なら、何でもする。


だから・・・・・、


俺の側からは、消えないで。


「ただいま・・・。」


音もなく帰ってきた笑美。


「何があってん!?」


笑美はその言葉に反応して、


「家に戻ってた!」


と言った。


けどな?俺は分かんのやで?


嘘の笑顔・・・・・・。


嘘のコトバ・・・・・・。


頼むから・・・。


「居なくなんな・・・。」


心の底から出た願いだった。