歩いているときも、あたしたちは無言。

あたしは地面を見ながら歩いていた。

浩哉はまっすぐ前を向いている。

「あ・・・」

浩哉が急に浩哉らしくない声を上げるから、あたしはびっくりして
「え?!何?!」

と叫んだ。

パトカーが行き来している。

周りの住民の人たちも集まっている。

「なんだろ・・・」

あたしが覗き込むと、背の高い浩哉はあたしより先に見たみたいで、必死に叫んだ。

「見ねぇ方がいい!」

でも、見てしまった。