麻子は、さっさと電話の会話を終わらせると、笑顔に戻って
「ごめんあやこ、あたし迎え来てるみたいだから帰るね!」

なんとなく、久しぶりにあたしを眼中に入れたようだ。

「あ、うん、ばいばい。」

挨拶しながらバックを持って、浩哉には何も言わず教室を出て行った。





駅まで来て、電車の時間がかなり先だったからあたしはなんとなく、ゲーセンに行った。

子供向けのゲーム機で、声を上げながらはしゃいでる子供。

プリ機の中で仲よさそうに撮っている女子高生。

手をつなぎながらそこいら辺をぐるぐる回っているカップル・・・。



そういえば、あたしにはまだ一度も恋人と呼べる人を作ったことが無い。

と言うより、どうしても男を好きになると言うことができない。

ふと、麻子を思い出す。

もちろん、麻子は応援したい。

でも、麻子の恋心と言うものがいまいちわからない。