わたしには、小さい時からお父さんがいなかった。
お母さんからは、「病気でなくなったのよ。」
と言われていた。
それは、本当。
でも、お母さんがお父さんの話をする度に悲しそうな顔をする。
小さい頃の私でもわかる。
なにか、あるんだと………
お母さんと、お父さんは高2で私を授かった。
お父さんは、お母さんのお母さんに殴られボロボロになるまで、叱られたらしい。
それでも、私を産んでくれたのだ。
それは、2人に感謝している。
けれど、お母さんは言っていた。
「お父さんは、本当はね………好きな人がいたのよ。
お母さんがね、無理矢理あなたをつくろうとしたの。」