嬉しさのあまり、今度は自分からその胸に飛び込んだ。


和くんの背中に腕を回し、ユニフォームをぎゅっと掴む。


やっぱり、あたしには和くんしかいない。


こんなにもあたしを見てくれて、わかってくれて。


そんな人はきっと和くんだけだよ。


もう離さない。


「あたし、和くんが好き。たとえ、和くんが嫌って言っても、あたしは好き」


「うん、知ってる」


和くんの手が優しく頭を撫でる。


髪の毛のなかに、指をすき入れる。


それが心地よくて、目を細めた。


「なぁ、顔あげて」


耳元でささやかれ、ドキドキしながら、言われたとおりにした。


距離はさっきと同じ。


それが、4センチ、3センチと、和くんによって縮められていく。


あと1センチ?


あたしはそっと瞼を伏せた。


これからも和くんの側で応援するからね。