─ああ、今日も私は、声をかける前に踏みとどまる。




足の長い君は、どんどん先へ行ってしまう。







─やっぱり、ダメだよ…







『─…好きです!』








ダメ…?


ダメってなに?




私は、一体何に怯えているの?



だって、嫌われるのを承知の上で、毎日話しかけてたんじゃなかったっけ?




[嫌われたって構わない。]




って、思ってたくせに、いつからか



[これ以上嫌われたくない]




だなんて考えてる。





でもさ。

吉野は、"嫌い"なんて、一言も口にしてない。