帰り道、ずっと考えていた。 『吉野先輩!』 「─『好きです』…か…」 まさしく棒読みのそれは、いまの私にぴったりだと思えてしまった。 直球じゃはっきり言えない、臆病な私に。 どうすればいい…? 少しずつ、心は揺れ始めていた。 そんな時。 ベストタイミングで、あの人の背中が見えた───。