【短編】もしもし?あたしの声、聞こえてる?


智也→剛士


「はい、もしもし山川です」

「たーけーしぃー」

「なんだただの智也か」

「『ただの』はいらないだろ」

「すまんすまん。で、今日はどうだった川端さんとの電話は」

「小雪からかけてきたよ。いつも通り。で、五十嵐先輩の話をして終わった」

「らしいなー。五十嵐先輩が川端さんの事が好きって噂」

「この前、五十嵐先輩と小雪が昼飯食ってたってほんと?」

「あーあれねー。五十嵐先輩が誘ったまではほんと。でも川端さん断っちった」

「ふぅ」

「『ふう』ってお前、すげー安心してんな。その調子で川端さんに告れよ。好きなんだろ?」

「好きだけどさ、好きだけどさ、あんなに可愛い小雪が俺の彼女になるのも怖くてさ」

「怖い?毎日告られてるから?」

「付き合うってものすごく信頼し合う訳じゃん。信頼され合う関係でなんか悪い事起こったら、心に傷付いちゃうじゃん。だからさ、俺怖いんだよ。悪気が無くても知らない内に小雪を傷つけちゃうんじゃないかって」

「そもそも毎日振ってる時点で、傷ついてると思うよ」

「小雪の心はそんなんじゃ折れないぞ。それにな、世の中には俺よりもイケメンで頭がよくて優しい男は沢山いる。小雪にはそういうハイスペックが似合うんだよ」

「俺はお前もハイスペックに見えるけど」

「剛士剛士剛士、お前は男を見る目がないな」

「智也智也智也、俺の恋愛対象は女子だ。男の見る目は関係ない。そもそもお前は自分に自信が無いんだよ。お前は格好いいし、毎日川端さんに告られてる。それに川端さん思いだ。たまに学校で話すお前と川端さんを見るけど、美男美女カップルとしてお似合いだぞ」

「そんな事無いって。 俺は小雪に不釣り合いだから」

「自信持てよバカヤロー」

「持てるかっつーの。あんな可愛い声聞いてたら、不釣り合い過ぎてむしろ恐縮しちゃう」

「あーもー・・・これだから奥手は困る」

「あ、俺、宿題やんなきゃだから、あばよ」

「こーくーはーくしろし」