言葉を選ぶように
かほが口を開けた。



「のぞみはずっとここに居る皆と
仲良しでさ、

私も…親友だった


夏樹とあんな別れ方を
しなかったら、多分今も一緒に
居たんだけどね」


今私が座るここに、あの子が居て

まるの座る場所に夏樹くんが居て



きっといつも皆で楽しくしていたんだ…




「簡単に言えば、
…夏樹から別れ話をしたのよ。

それを

のぞみは受け入れたくなくて

妊娠したって嘘ついて
それをみーんなに言いふれまわって
夏樹は引退試合には出られないし

学校は謹慎くらって行けないし

そーんな騒ぎ起こしたくせに
夏樹から金まで奪おうとしたの」


壮絶な過去のように聞こえてしまった。


自分にはつい最近まで彼氏とかそういうものに縁なんてなかったし


なにしろ、妊娠なんて


考えもつかない言葉だった。