「…なんで?」
「うちの両親医者でさ、そういう約束のもと、高校サッカーしてたからね。
辞めんの嫌だなーなんて
今更思ってたんだけど
ハルにもっと会えるようになるから
それはそれでいいかなー
って」
そんな笑顔、反則だよ…
「夏樹くんの試合、やっぱり見に行く!!」
「勝ったらキスしてギュッてしてい?」
「負けても…していいよ?」
てか、今でしょ!!
今でもしていいでしょ!!!
ほら、言え!!
私!!!
「ありがとう。
でも、やっぱり今したい」
そんな言葉と共に私の頬に夏樹くんの
細く大きな手が触れた。
目を瞑る隙もないくらい。
夏樹くんに心と唇を預けた。
優しく、ソフトに触れる口と、口。
キスってこんな感覚なんだ…
初めてのキスは、
本当に、優しく、優しく、優しかった。
「夏樹くん…」
「ハル…好きだよ」
2回目のキスも
優しくて、やっぱり、あったかくって
もうどうなってもいい
なんて思った。