「夏樹くんを!!

応援したいから、見てていい?」



その、優しさに答えたい。



それだけじゃ駄目なのかな?





彼の優しい笑顔が私を締め付ける。




葉山は何を思ってあんな行動をしたの?



今更だよ。




優柔不断な私は

初夏の風に吹かれて


ボールを追いかける夏樹くんだけを


見ようとした。



彼がさりげなく私を見て笑う。


周りの黄色い声も



かほや、ゆうくんの声も今の私には届いていなかった。



葉山を見ないように。


夏樹くんだけを見るように。