「ハル、お前夏樹が好きなの?」
私が答えなければ終わらない。
そんな空気。
私には贅沢過ぎて、答えられないよ。
「……私は…
夏樹くんと…いて本当に
楽しい…し、自分の中で何か変わろうとしてる。
葉山といると……嬉しいけど…
辛いの…」
葉山は何も言わず私と、夏樹くんの横を通り過ぎた。
「…ごめんっ。」
葉山が居なくなると
私の身体から、離れる体温。
少し、淋しさが残る。
「…試合、見るの辛いだろ?
かほ達と帰っていいよ?
又、連絡する」
クシュっと私の髪を撫でてグランドに向かう彼。
どこまでも優しい人。