美空が寝て少し静かな部屋
「寝かしつけてくれてありがとう」
良が来たら美空の世話は全部良がする。
お風呂も歯磨きも寝かしつけも。
「ほいじゃー、俺帰るわ」
良は何も求めない。
それが楽なのかいつも頼ってしまう
「ありがとう」
口数が少なくなってしまった私と良。
2人になっても話す量は昔よりだいぶ
減ってしまった。
「なぁ、ハル」
良は時たま心配そうに私を見つめる。
その時だけが良との気まずい時間。
何を言いたいのかもわかっている。
もう、長い付き合いだもん。
わかってるよ
でも
「…またね」
今日もその言葉は聞かない。
「…かほと、ゆうが結婚するってさ」
今日は久しぶりの名前を口にしたから
つい
聞いてしまった。
かほ
ゆうくん
結婚するんだ…