「気合い入れて頑張るぞー!」



グラウンドに響く声


それを3階から眺める
横に居るのは愛花ちゃん



あれから、自分でもビックリするぐらい仲良しになっていってる
一緒にいるようになってから
愛花ちゃんにタメで話すように、と約束させられた
あと呼び捨て!って言い寄られたけど
先輩という存在は変わらないから
愛花ちゃんって呼んでる



「私達、なんで一緒に居られるんだろうね」


真面目に話し出す愛花ちゃんは
いつものように小森先輩を見つめている




「ライバルのはずなのにね」



そうなのだ。
ライバル、だと思われてもおかしくない



「なんかねー、小春をライバルだと思えないんだよね」



「まあ、私はライバルじゃないから。」




冷め切ってる表情の私と
可愛いオーラを出し続けてる愛花ちゃん



性格も真逆
別に趣味が同じとか、そんな事もない




「……なんで、諦められるの?」



不思議そうに聞いてくる愛花ちゃん



「私はね、先輩に大切な人が居るって知ってて好きになったんだよね」



ただの綺麗事
そう言われれば否定はできない



でも、私が小森先輩と愛花ちゃんの間に入る隙間なんてないから




「その大切な人が気になる…。」




この子はホントに可愛い
鈍感で天然な女の子



「バカだねぇ、」



そんな事を言う私は臆病者



「何よー!」



2人して顔を見合わせ笑いあった