「愛奈~!おはよ!」

「あ、おはよ」

「どうしたの?なんか暗いよ?」

「え!?そう!?」

「うん。なんかあった?」

「う、ううん!何もないよ!」

結衣には……迷惑かけられない。

これは私の問題だもん。
私だけで解決しなきゃ。

きっと雅也君は突然のことに驚いて、あんなこと言っちゃったんだ。

きっと私が挨拶し続ければ向こうも何かしら返事をしてくれるようになるはず!

きっと……。

そう思っていると、雅也君が通った。

よし!

「雅也君おはよ!」

「……」

挨拶した私をじっと見る雅也君。

やがて……

「……」

え……。

雅也……君?

どうして……何も言ってくれないの……?

どうして……無視するの?

どうしてそんな冷たくなっちゃったの?

私……まだ持ってるよ?
小さい時に撮った、私達2人の写真。

なのに……なのに……何で……

「ちょっと、何よあれ。せっかく挨拶してるのにおはようぐらい言えば良いじゃない!私、文句言ってくる!」

「良いの!」

クレームをつけに行こうとした結衣の腕を咄嗟に掴んだ。

「愛奈?」

もう……もう良いよ……。

雅也君はもう昔の雅也君じゃない。

もう……あの写真みたく仲良く写真撮れないんだ。

雅也君と……お喋り出来ないんだ……。


「あ、愛奈!?」

結衣が慌てるのも無理はない。

だって今私、廊下で泣き崩れてるんだもん。


ごめんね……結衣……。