雅也said

とにかく、学校に戻ろう。

そう思った俺は学校に向かった。


「……?」

どこからか女の泣きながら訴えるような声。

「あれは……おばさん!?」

なんとその声の主は、愛奈のお母さんだった。


「借金なんてしてません!お願いですから子供達だけは助けてください!」

ど、どういう事だ?

一体何が……

「!」

その時、俺の脳裏に浮かんだのはあの親父の言葉だった。

ー「あの子がどうなっても良いのか?」ー

あの言葉の意味はこういう事だったのか。

どこまでも汚ねぇ野郎だぜ。


気づくと俺はおばさんの所に向かって、走り出していた。