「ま、雅也君?」

勇気を出して雅也君に話しかけた。

小さい頃は『勇気』なんて出さないで普通に話せてたのになぁ。


「あ?」

怖っ!

でも負けちゃダメだよ、愛奈!


「あ、あの……これ、覚えてる?」

私はあの思い出の写真を雅也君に差し出した。


やっぱり、捨てられないよね。


「……そんな昔のもん覚えてねぇ」

雅也君はそう言って顔を背けた。

嘘……嘘だ。


「雅也君。わたしこの写真が私達だなんて言ってないよ?」

「っ……」

その瞬間雅也君の体がピクンと跳ねた。

雅也君……やっぱり覚えてるんじゃん。

どうして隠すの?

そんなに恥ずかしい過去だった?