下界にもうすぐ着くころだ。降臨の儀はある村の祭壇で行われる。テルは速度を上げた。
天使「テルス.ソルディア.ルシアディアウス様、そろそろ着きますよ?」
テル「名前いちいち長いからテルで良いよ?あ…見えて来た。」
下の方に村が見え始めた。その時、
天使「テル様!止まって下さい!!」
テル「え…何で…」
天使「村に結界が張ってあります!!」
結界とは人間の手に負えない類を何とかする一種の魔除けだ。
テル「あいつらそんな高度な術使えたっけ!?」
天使「だから300年前の話ですよ!?それ!」
テル「300年でこうも変わるとは…人間め!厄介な術を……おい天使!どんなタイプの結界だ?」
天使「人間からの視覚化が可能になり、結界の中に何かが侵入したら即バレるタイプですね。」
テル「そこまでする必要あるのか!?何がそんな恐いんだ!?魔物の住処でも近くにあるのか!?ってかさ…」
天使「何でしょうか?」
テル「降下ってどう止めるんだっけ?」
天使「えええええええぇぇえ!?」
テルは猛スピードで落下し、結界を突き破った挙句地面に直撃した。
テル「痛てててて…まあ一応土は踏んだな。」
するとその時村人の声が聞こえて来た。
「村を守る結界の中に何かが入り混んだぞ!」
「魔物か!?すぐに捕まえろーっ!」
テル「そういえば俺の姿が人間から見えるようになって、侵入したらすぐ分かるって天使が言ってたな。そもそも結界とか…そんな嫌われてる?」
とか言いつつ立っていると
村人「いたぞ!!あいつが侵入者だ!」
「ホントだ!頭に輪があるぞ!」
「注意しろ…魔物かもしれないぞ?」
村人はすぐにテルに武器を持って迫って来た。
テル「…ちょっと本気でヤバいぞこれ…?」
テルは全速力で逃げ出した。