…やってしまった。

入学早々最悪だ。

前もよく見ずに人にぶつかるなんて…

しかも男子だ。

どうしようかと考えてると…

「痛ってぇ…」

ん?あ、しまった。

まず謝らなければ。

「あのっ…」

言いかけてやめた。

彼の胸元に視線が行く。

ネクタイについているピンが赤。

ということは…

先輩。

もう、最悪という以外に何もない。

終わった。

私の高校生活。

と、私が謝るのも忘れ、途方にくれていると

「あれ?…お前…」

いつのまにか立ち上がっていた彼が、私の顔を覗き込むように見ながら話しかけてきた。


そこで私は運命とかいうやつを恨むことになる。