入学*




春の光が…まぶしい。
今日から高校生。
相楽洵。15歳。
今日から高校1年生。

隣のやつは、幼馴染みの伊達煌。

小学生の時から、いや、生まれた時からずっと一緒。剣道で、全中3連覇して推薦で入ったんだ。
まぁ、わたしは東北制覇したもん。

でも、もう剣道はしなくていいかな。
一般で入って、煌はもっと強い強豪校に行けたのに私のために…。

だから、煌にはとても感謝してる。
剣道部のマネージャーをしよーかなって考えてる。



「おい!洵、早くいくぞ」

「ほーい」


ふわっ…

桜の花が散り始めていた。





「おはよー」

『おはよー、洵!あっ、煌もいたのか!』

親友の坂上憂依。
剣道強いんだよ!?

「今日も可愛いなぁー」

そこ、爆笑するか?
でも、憂依は黒髪のロングでぷっくらとした唇に大きくて二重な目。
んで、モデルみたいに美脚でスタイル抜群。何回スカウトされてることかぁ…

「なぁなぁ、剣道のマネージャーやるんでしょ?ってかやんないとマジ怒だからね!」

「まじっすか…まぁ、やるよ、マネージャー!」

「わーい!うれしぃぃい!」

「え、マネージャーやんの?聞いてないんだけど?」

あっ、煌に言うの忘れてた。
それに気づいた憂依が、

「だって、煌に言ったら意味ないじゃん?」

「んなっ、なっ何いってるにょ!」

あっ、噛んじゃった…。

「まぁ、いいけど。」

「煌、先生呼んでる」

高杉奏。こいつも、煌と一緒に推薦で入った剣道部員。
格好いいんだけど、何かが足りない。
でも、憂依と付き合って2.5ヵ月経つ。
美男美女でいいなぁ。

「おぅ。わり、ってか誰先生?」

「剣道の顧問」

「おぉ、りょーかい」

走っていってしまった。

「ねぇねぇ、何の話してたの?俺にも教えて!」

「あぁ、洵が剣道部のマネージャーやるんだ!よかった、またみんなでできる!」

憂依がこんなに喜んでいてやんないとは言えんだろ!普通!

「えっ、俺はうれしいけど煌はなんていってんの?」

うぅ…そこはきついんだが。

「あのさ、奏。言っていいこととだめなことってあるでしょ!?」

憂依…ありがとーございます!

キーンコーン

「あっ!チャイムだ!やべぇ、次って古典だよな?」

「そーだよー。しかも、源氏物語の訳書いてきた?」

うぎょーって2人して叫んでる。
おもろいなぁ、本当に!


ガラガラ…

「きりーつ、れーぃ。」

委員長がだるそーに号令をかけた。
前を見たら…

「え…」


マジかっっ。

本条匡…じゃない?

「えっと…はじめまして本条匡です。古典の先生で、剣道の顧問、歳は25で、独身です」

きゃーって、クラスの女子が騒ぎ出す。
だって、イケメンだし、声が格好いい。

「えー、先生質問でーす!」

「なんですかぁー?えっと…高杉…奏くん?」

「このクラスの女子で誰が好みですかぁ」

どーしよぉー、恥ずかしーとか言ってるけどさぁ、当たるとは限らんで。だって、うちのクラスで一番人気なのは憂依だからね!

「そーだなぁ。でも、決めたらやばくない?みんな、可愛いしね。」

って、言いながら笑ってるし。
それでも、奏は諦めなくて、

「えぇえー、どーですか?この女子は?可愛いでしょ!」

誰を指差してんだろぉーって奏を見てみたら…

「えっ、わっわたし!?」

なぜに、私を指差してんだよ!
しかも、憂依まで…。
煌はふーん…ってかんじで見てるし!
助けろよ!幼馴染み!

「あぁ、可愛いよね。以外にタイプかも」

おいおい!!なんか、クラス全体で納得すんなよ!
先生も笑うなよ!

本条匡。
全国制覇を何連覇したことか…。
中学校から剣道を始めたらしい。
中学校は全国有数の剣道の名門。
高校は全国制覇を何連覇しているんだって…
まぁ、強いところでやっててインターハイ3連覇で個人団体どっちも制覇したことで初を出した人。いまだにどっちも制覇した人はいないからこの人だけ。

なんでこんなに詳しいかと言うと…
この本条匡は私の兄の戦友で一緒に全部制覇したからで、鼻につくけど強いことは本当。
あの煌が教えてもらいたいって言うってことは本当にすごい人だと思う。


この時、私は

初恋を

知った。