「手、冷たいじゃん。俺がやるから」
「え、でも森君は何も関係ないし…それに、手汚れるから…」
「いいから」
…こういう人だからモテるんだろうな。
それに、思ってたほどチャラチャラしてないんだ…。

…繰り返しの日々だと思ってたのに。
…いつもと同じ日が来ると思ってたのに。
今日はいつもと違う。
ゴシゴシと机を擦っているのは私じゃなくて、あの森君だから。
…手、大きかったな。
「…うーん、これ以上落ちないな…。除光液とかなら落ちるかな?」
「たぶん…」
「保健室にあるかなー?…行ってみるか!」
そう言うと森君は廊下へ出た。
「何してんの?」
「え?」
「前本さんも行くよ!ほら!」
「えぇっ?!」
森君に手を引かれ保健室に向かった。