次の瞬間…
草陰からノコノコと私の前に現れたのは、一匹のライオンさん?


じゃなく、動物に例えると 肉食系ライオン。
れっきとした男の子だ。


一瞬見た限り変態では無さそう。


はぁ~ 良かった とほっと一息付く。


それより何でここにいるの?
草陰に隠れているなんて、いかにも私を襲おうとしていた変態みたいじゃん…!!



「あの~…」


「お前、なんで泣いてんだよ?
可愛い顔が台無しだぞ」


いきなり何を言い出すの?
"可愛い顔"って
どこの商売上手だよ。

繁盛上がったり ってね。


「もしかして、変態ですか?
私の告白現場を、見物でも見るように見学して楽しい?
私の振られた一部始終をどうせ見てたんでしょ?」


ここは追求には叶わない。
尋問とでもいくべきかな。


「何いってんの?
俺はただ、お前が泣いてるのを見て
咄嗟に話し掛けたっうーか
心配なんだよ!!」


「身分も分からないのに、私の心配?
ふざけないで」


それよりも早く、この場から直ぐにでも立ち去りたい。

お願いだから、一人にさせてほしい。


「ごめん…」


少しは私の気持ちがこの人に伝わったのかな?


「分かったなら
もうどっか行ってよ…」



しかも私は涙で、顔がグシャグシャになってたから、まともに相手の顔が見えなかった。



だけど、声のトーンからして
優しそうな人っていう、イメージを持った。



逆に第一印象が″変態″っていうイメージの方が、あからさまに強い。



一体どんな表情の人何だろう。

ちょっと気になる。


イケメンオーラがブンブン漂っていたような。



私には分かる。

イケメンに目がないことだけには___。