それからは、何事もなかったように
再びドライヤーのスイッチを入れて、私の髪を乾かす晃。


「ねぇ、晃?」


私が晃に問おうとしても、晃はドライヤーの音で聞こえないらしい。

そっかぁ。そうだよね…



その後暫くして
晃はドライヤーを切って、コンセントを抜いた。


私の髪の毛が一本も濡れている所なく、完全に乾いたみたい。

晃の手によって、私の髪の毛は
更にさらさら感を増す。

何か、いつもより艶出てきたし…


こんなにも人にやってもらうと、大きく差が出るんだね。


それとも、ときめき過ぎて
女性ホルモンが増えちゃった!?


それでも嬉しい。



「なぁ、さっき俺に話し掛けただろ?」



私がウキウキしていると、晃がそう言った。
嬉しい気持ちが一気に気沈みしちゃった。




ふ~ん
何だ、聞こえてたんだ。








聞こえているのに、知らん振りしたのかな?