「俺は、鈴を本気で好きになれないんだ!!
ごめん…」


私を晃の虜にさせといて
いきなり何言うの?



「何で?
私のこと嫌いなの?
あの時、唇にしたキスは何?
人の初キスを奪っといて、よくそんなこと言えたよね…」



「鈴を好きでも、嫌いでもない
感情を上手くコントロール出来ないんだ
俺だって辛いんだよ…
少しでもいい、俺の気持ち察してくれよ」


何故だか分からないのに、涙が次第に込み上げてきた。

ぽたぽたと頬を伝っては、それは潔く流れ落ち…
一気にスカートを湿らす。



「私、分からないよ
晃の気持ちなんて…
分かりたくもない」


「惚れた女には、手だせねぇ
だから…」


これが本物の晃の感情だったのかもしれない。


だけどそれに気づかなかった私は、正直者のバカだ。


晃、本当にごめんなさい。