キスがしょっぱいってことは、晃が泣いている?

私は、夢の中で自分の唇に手を触れた。


『晃、泣いているの?』


『いいや、泣いてなんかない』


『嘘ばっかり』


『泣く男なんかカッコ悪いだろ?』


『そんなことないよ!!
晃は晃だから』


『実はな、俺夏海に脅されてるんだ…』


『どうして?』


『それは…』



そして私は、夢の途中で微かに目が覚めた。


寝ぼけている目をこすりながら、夢の記憶を辿っていく。



晃が、夏海さんに脅されている?



でもこれは夢なんだよね…?


現実の訳ないよね…?



そう思いながらも、水をくむためキッチンに向かう。