『晃、晃ー』

私は夢の中で懸命に晃の名前を呼び続けていた。

晃は振り向くことさえ無く、夏海さんと手を繋いで
すぅーと消えていく。


『晃、何で私じゃだめなの?』


私はただその場で踞っている事しか出来なかった。


すると、夏海さんと手を繋いですぅーと消えていった晃が戻ってきた。


私にこう投げ掛ける。


『俺が好きなのは鈴しかいない』



そう言って、私の唇にしょっぱいキスをした。



そう、しょっぱいキス…



って、あれ?何でキスがしょっぱいの?