「なぁ、鈴の部屋って何○何号室?」


私の気持ちをお構いなしに、突如口を走らせてきた風間さん。


「何で?」


呼び捨てにするのは許すけど…。



「だって、今から鈴の部屋行くから」


え?
何で急に話が変わって、私の部屋になってるの?

私、一言もそんなの聞いてない。


「約束と違うじゃない
私を裏切ったのね…」


「でも鍵なくしたから、部屋に入れない」


「じゃあ、管理人さんに頼めば?」


私は、少し怒り気味になりながらも、優しい口調で風間さんにそう言った。


「管理人さんって、あの管理人さんか?
昨日から旅行で日本に飛び立った」


「ここ日本です!!!」


「あ、東京」


「そんなのどうでも良いけど、私は絶対部屋に入れません」


部屋に入れるものですか!
新鮮な部屋の空気が、男臭くなっちゃう。


「なら、どうすればいいの?
俺に野宿でもさせる気?」


「風間さんがライオンなら丁度いいじゃない!!
草でも食べなさいよ」


「お前な、俺こう見えて超絶の肉食系なんだよ
しかもさ、晃って呼ばねぇと
またキスするぞ?」



私、完璧に風間さんにもて遊ばれてる。


からかうのも程ほどにして欲しいな。




だから男の人とは縁がないのかもね___。