「瑚琴ちゃん、どこかに守られてるね」



守られてる……?
どこかってどこに?



私を見てそう聞いてくる祥先輩。
けど、全然意味わかんないよ私。




「どこかの族と関わりがあるかって聞いてんだよ!!」




族と関わり……?
そんなのあるわけがない。
私は、族がこの世で一番嫌いなんだから。
ホントは、此処にいる事さえ嫌だ。




「そんなのないよ」




「そんなはずないよ。なら、このマークは出てこないであんたの家の住所わかるはずだ。それに……このマークは、鬼麟(キリン)ですよ総長」




私の言葉に否定をすることをいう黎乃さん。
鬼麟……?
何それ?キリンなら動物園で見たことあるけど。




「うわ……めんどくさいことはお断りなんだけどな。まさか、No.2の鬼麟と関わりのある子猫ちゃんだったとはね。でも、逃がしてあげないからね」




私、暴走族に知り合いなんていないのに……。
どういうことなの?
そして、逃がしてくれ……。




「鬼麟といえば諒と対を張れるぐらい美貌の持ち主が総長だったよね。他の総長は強面だけど諒と鬼麟の総長は甘いマスクで有名だよね」




さらに、わからなくなりました。
私の知り合いにそんな甘いマスクの持ち主なんていないし。





「No.2なんかに手を出したら俺らが潰されんぞ?」





「そん時はそん時は考えればいいんだよ、焔。俺は、子猫ちゃんを手放さないって決めたし」





勝手なこと決めんな!!
手放せ、てかあんたに飼われてないし。





みんな困ったような顔をしているのに黒野諒だけ楽しそうに笑っていた。




「あっ、さっき電話してたの誰だったの、瑚琴ちゃん?」